※2025/05/11 内容を大幅に更新したため、Pixivに投稿した小説の内容と異なる点があります。

ビャッコパシティ

概要

ビャッコパシティは、かつて異世界として存在した街。
外界から切り離された箱庭のような空間で、白い建物と青い空、植物の緑のコントラストがはっきりした景観の世界。
地形は片側が海につながる低い土地で、反対側が高くそびえる傾斜地となっている。
「デンキウソウ」という光る実のなる花が、地面や植木、外壁など街の至る所に生え、
夜でも道を照らしていた。
収穫されず枯れることもなく肥大化し続けたデンキウの実は、やがて空に浮かび昼間でも光る小さな星が浮かんでいた。

街の広さに対して人口密度が低く、どこに行っても閑散とした寂しさを漂わせており、ある者には唯一の居場所、ある者には孤独と狂気の地獄にも見える。
この世界は、他にない独自の文化や風習がある不思議なこの世界には、狂人族の異名を持つパシアン人と異形の動物たちが暮らしていた。

地理

ビャッコパシティは、地上世界のハッキヨウタウンと、地下世界のアングラタウンのふたつで構成されている。

地上世界・ハッキヨウタウン(白奇妖町)

ビャッコパシティの地上世界は、南側が海に囲まれた低地、北側が自然の多い高台に囲まれた地形で、5つの地区(マシカ区、アワブ区、ゼンエー区、ハイジャン区、キリナミ区)で構成されている。

海沿いや街の中心を縫った環状線鉄道があり、オオメンガイという巨大生物が客席車両を牽引する「メンシャ」という乗り物が、30分程で街を一周する。

マシカ区(中央・居住区画)

街の中央に位置する居住区画で、正方形の地図が特徴。
中心には広場があり、そこで祭りやイベントなどが行われている。

【マシカ文化会館】

マシカ区の中央にある施設で、ホールや図書館がある。
屋上の広場には、街のシンボルでもあるモノリスが立っている。

【ジッカマート マシカ店】

シティ随一の巨大企業「エキアン堂」傘下のディスカウントショップ。
自社製の日用品や食品、異世界からの輸入品などを取り扱う。
キャッチコピーは「いつでもおかえり」。
マスコットキャラクターの「マートトちゃん」の描かれたポップが店内のあちこちに飾られている。
隣の商業区域から近い位置にある。

【チノミヤ】

抱溶狂人トロビヤスが経営するカフェで、彼の好きな白い食品や雑貨を取り扱っている。
奉仕好きなトロビヤスの甘々な接客スタイルが人気。

アワブ区(西側・商業区域)

東に位置する商業施設の多い区域。
80〜90年代の日本の景色を彷彿とさせる街並みで、シティの外の世界を行き来するターミナルがある。

【エキアン堂ラインモール】

エキアン堂が運営する一本道の商店街。
飲食店や雑貨店、リサイクルショップなどがある。

【ザ・テンネズ2号店】

人工肉のハンバーガーなどを売っている、ダイナー風のファストフード店。
シティの人気アイドル「こみやにくる」とのコラボ企画を頻繁に開催しており、コラボ期間には必ずメニューに追加される「にくるバーガー」人気。

【キッカザール】

服屋の店主だが本人は服を着ない露出狂人ベアの経営する仕立て屋。
「服は自分を隠すものではなく、素材を飾るもの」をコンセプトに、客にオーダーメイドで服を作ってくれる。
服の生地は、パシンが実体化する絵を描くのに使っているキャンバス生地をリサイクルしたもので、パシアン人は着ているうちに体に馴染み、着替えのレパートリーとなって体に記憶される。

【海鮮狂亭】

海鮮狂人モエビが営む寿司屋。
ほとんど普通の寿司屋だが、外の世界では海洋生物系人類(マリニアン)がいち人類として権利を拡大している情勢下では、食人的嗜好の狂人が人肉料理を出す店として見られている。

【シティ生涯学習センター】

小さなビルの中にある教室の中で勉強ができる、学習塾のような施設。
制服もあり、それを着て習い事や講座を受けて、学校気分を味わえる。

ゼンエー区(北側・自然、アートエリア)

北の高台に位置する芸術区域。
前衛的なアート作品や、パシンの動く作品が歩き回っている。

【パム】

創造狂人パシンの自宅兼美術館。
「Pashin Art Museum」の略。
三階建てで、一階は展示室、二階にアトリエ、三階が居住スペースとなっており、パシンが作ったりコレクションした絵画や人形などの芸術作品が展示されている。

【しらぬま温泉旅館】

地区北部、ゼンエー区の近くに位置する、濃厚な白濁の湯で満たされた温泉のある旅館。
小さく閉鎖的な街で暮らすパシアン人たちが、街の中で旅行気分をしっぽりと味わう施設。
温泉の成分がパシアン人の体を構成する体液に近く、これに浸かったパシアン人は回復が促進される。

温泉はすべて混浴だが、貸切の室内風呂と露天風呂、共用の露天風呂の3つに分かれている。
スペースの大きい露天風呂には「しらぬま姫」と呼ばれる水生生物がおり、最奥の穴から水没温泉街と行き来している。

【荒廃遊園地公園】

水没街洞窟の出口が近くにあるテーマパーク。
荒廃した廃墟の遊園地をモチーフにしており、施設などが錆び付いているように見えるが、そういう風に見えるようにウェザリングが施されている。
パシンの作品置き場でもある。

ハイジャン区(西側・広域区画)

西の海沿いから高台に広がる区域。
広い面積を必要とする施設が集中している。

【マディエンスラボ】

発明狂人マデンスのラボと住居を兼ねた施設。
非常に広い敷地を持ち、噴水のある巨大なフランス式提案がある荒廃した遊具やオブジェが至る所にあり、建物の中にはマデンスの発明品や子供向けのような古びた展示が並ぶ。
施設内にはにくるの住む部屋もあり、他にも地下世界に繋がる道がある。

【みのくま村パーク】

地区北西部にある、臓物狂人ハラパディンの故郷を小規模に再現した村。
ずさんな建設計画のせいで村名の表記揺れが発生しているが、地図上の名称は「みのくま村パーク」で登録されている。
白い像で再現された村人は「ミノクマ様」という神を祀り、名物の赤い縄や腸詰めなどを贄として捧げている。

ハラパディンの父・龍師(りゅうじ)は、医者と大工を生業とする、村一番の力持ち。
豪快な男だが真面目かつ仲間思いの性格で、生業の知識と道具を活かし、村の秘密を一度も外に持ち出させたことがない。
かつて村一番のやんちゃ坊主と呼ばれた男は、子孫繁栄を祈願する「縄祭り」の際、龍師の力によって女にされたのち、辰美(たつみ)という男の子を産んだ。
のちのハラパディンである。

【みのくま廃病院】

臓物狂人ハラパディンのいる小さな診療所。
病院と名のついた施設だが、ハラパディンの私的な住居としての側面が強く、荒廃した外観も意図的な装飾で、清潔な内装には、瓶詰めにされた臓器のコレクションが可愛らしく棚に飾られている。
ちょっとした診察や治療を受けたり、ペットも診てもらうことができるが、彼の手に負えないものは地下のマディエンスラボ総合病院へ連絡するようになっている。

【宝の山】

異世界で捨てられ、人に忘れ去られた廃材が湧き出てくる所で、シティの重要な資源採掘場となっている。
直せばまだ使えそうな機械を探す者や、高値のつくコレクションを探す者、芸術のインスピレーションになるものを探す者、結局誰も手をつけなかったゴミなどを回収する業者など、さまざまな人が運命的な出会いを求めて訪れる。

キリナミ区(南側・海岸地域)

南の海に近い低地に広がる、薄い霧のかかった区画。
白いタイルや彫刻の景色に、南国風の植物が生えている。
西側に近づくほど霧が濃くなっている。

【水没街洞窟】

塩素の香りが漂う、直線的なデザインの人工洞窟。
内部は陽が当たらず、夏は避暑地になるほどの場所だが、洞窟内に自生するデンキウソウが、壁や水中に沈んだ彫刻に巻き付いて淡く光り、どこにいても一定の明るさは確保されている。
「クラゲブエ」や「トトトトモン」などの水生生物が生息している。
一部の出口はマシカ区やゼンエー区に繋がっている。

【TEAプラス】

抹茶と筋肉に目がない、抹筋狂人トッシュが経営する、お茶の専門店。
抹茶を中心に、さまざまな茶葉や茶器に加え、青汁からプロテインまで色々取り扱っている。
店の奥には喫茶ペースもあり、トッシュの淹れたお茶や抹茶ソフトクリームを食べることができる。
店の看板獣に、コメンバイの「オチャティー」と、ハネコウベの「マッキンバード」がいる。

【豆成豆腐店】

お金にがめつい店長の、益銭狂人マメナリが経営する豆腐店。
水の綺麗な土地に店を構えるなど、豆腐作りは真面目にやっているが、マメナリが突然他の事業に手を出して臨時休業をしたり、経営破綻になることがしばしば。
店の裏には趣味で作ったカジノ風の無人ゲームセンターがあり、入場料を払って受け取ったコインを使い、スロットやルーレットで一攫千金気分を味わえるが、稼いだコインは持ち出せず、マメナリだけが儲かるようになっている。
中には水とコーヒーが飲めるドリンクバーがあるが、トイレはカジノの外にあり、再入場には再びお金がかかる。

街全体

【デンキウソウ】

ビャッコパシティの至る所に生えている植物。
花の中心に光る実を作り、パシアン人はこれを食べて生きている。

デンキウの実の中には「ソウ液」という液体で満たされており、若い実の中では液体で、熟した実の中では小さな氷の粒のように固まっていて、熟しているかは実を叩いた音で判別する。

収穫されなかった実はいずれ萎れて輝きを失うが、稀にどんどん巨大化して空に浮かび上がり星になるものもある。

【星】

シティの空には、昼間でも雲があるような低い高度に小さな星がぽつぽつと浮かんでいる。
その正体は、収穫されず、枯れることもなく、巨大化したデンキウの実が空に浮かび上がったもの。
実は空中でも膨らみ続け、夜に破裂すると花火のように輝きながら散ってゆく。

【スターエコー】

エキアン堂傘下のコンビニチェーン。
街の各地に点在し、食品や日用品が取り揃えられている24時間営業の便利なお店。
「明るく星とキラキラ」というフレーズのCMソングが、パシンのお気に入り。

【自動販売機】

清涼飲料水「コッカキア」や、個包装の寿司など、いろいろな飲食物が売られている。
レトロなデザインの自販機が一般的。

【再生ボックス】

自販機のようなサイズの機械でできた箱。
この中に割れたパシアン人の壺を入れて稼働させると元通りに修復される。
仕組みは公開されていない。

【公園】

シティのいたる所に点在する小さな広場。
食べ物や飲み物の小さな屋台があることも。

【防災無線】

12時と17時にチャイムが鳴る。
シティ崩壊の日は襲撃の影響で故障し、夕方のチャイムが延々と鳴り続けた。

地下世界・アングラタウン(暗暗町)

ビャッコパシティの地下世界は、街の環境を整えるための施設が集中した、4つの階層で構成されている。
一般人が自由に歩き回ることができるのはほとんど第一階層のみで、それより下の階層は許可を得ないと立ち入ることはできない。

第一階層(フターシィの町)

エキアン堂本社の出入り口や、街の資材や食糧などの保管庫があり、地上よりも多くの労働狂人フターシィがいる。
フターシィたちは思考が単純な労働者だが、数が多いフターシィたちがいなければ街の環境は維持できないため、マデンスは「世界の半分をきみたちにやろう」と、街全体で半分近くの面積をフターシィおよびエキアン堂関連施設に譲っている。
その大半は地下世界に集中しているが、上か下かなどはフターシィたちには関係なく、「職場から近い」と満足するほど、仕事終わりのフターシィたちがそのままこの地下世界で過ごすことも多い。
もはや「フターシィたちという大きな1人の家」とも言える独自の文化が発展している。

【フィクション】

地下劇場。
大迫力のサウンドで観る映画や、アイドルのライブなどのための、熱狂ができる施設。

【ザ・テンネズ1号店】

シティの「にく食文化」発祥の地。
メニューは地上と同じ。

【ジッカマート アングラ店】

エキアン堂本社入口のあるフターシィの町に根差した店として、地上の店舗よりも客層をフターシィをターゲットにした品揃えににしてある。

【スターエコー アングラ店】

ジッカマートとは違い、こちらは地上とほぼ変わらない品揃え。

【エキアン堂本社入口】

大企業とは思えないほどの小さな事務所のような建物だが、第一階層にあるのは受付とエレベーターのみで、本社は第二階層にある。

【星祭の館】

制裁狂人シオキスの率いる「星祭倶楽部」による、祭事運営兼自警団の事務所。
シティで悪事を働いて捕まった者は、ここで凄惨な制裁を受けることになる。

【マディエンスラボ地下総合病院】

マデンスの管理で運営している病院。
完全AIによる診断やロボットによる治療など、医療法が定められていないシティならではの運用が可能。

【地上世界ターミナル直通バスセンター】

ビャッコパシティは特殊な構造上、地上世界と地下世界への道は物理的に繋がっておらず、異世界へジャンプするための装置と同じシステムを搭載した乗り物を使い、1日に数十本の便で地上と地下を行き来している。

第二階層(エキアン堂主要施設)

【エキアン堂本社】

シティ随一の大企業。
「大きなミスも気にしない、明るくホワイトな職場」をキャッチコピーに、インフラ整備や、製造業、異世界からの輸入などを主な事業としておこない、街の根幹を支えている。
労働狂人ラムジュトスを除く全社員が畜群狂人フターシィで、社長もフターシィ。
毎週くじ引きが行われ、当選した社員が1週間社長のイスに座ることができる。
抽選権はエキアン堂関連施設で直接労働するか、エキアン堂グループ系列の店で買い物をして一定のポイントを貯めると、社長抽選権と引き換えることができる。
社長専用タブレットには優秀な秘書AI「クロニック」が搭載されており、社長業に慣れていない者でも、彼女の指示や提案を聞けば誰でも簡単に会社運営ができるようになっている。
「クロニック」AI開発はマデンスによるもの。

【エキアン堂総合工場】

自社オリジナルブランドの食品や日用品など、生活に関わるあらゆるものを製造している。

【エキアン堂水道局】

貯水槽や浄水施設がある、シティの衛生的な生活の要。

第三階層(マディエンスラボ地下施設)

マデンスが地上ではおこなえないスケールの大きい発明や実験ををしたり、秘匿性の高い情報を保管する施設や、街のエネルギーを生成する発電所などがある。

【エネルギープラント】

強い光を放つデンキウソウを栽培している施設で、その光で発電し、シティのエネルギーをまかなっている。

【フレッシュドール製造工場】

にくるの肉体を培養する施設。

第四階層(関係者以外立ち入り禁止区域)

【歪みの池】

地下世界の最下層にある、光を放つ池のように見える時空の歪みの穴がある空間。
ここに街では処理しきれないゴミや不用品などを廃棄している。
シティで行方不明となったパストトは、この池の光に強い興味を示していた。

生物

オオメンバイ

生息地:シティ全域

形態:体長2〜3.5m、体重約1.5t。

生態:異世界の「面這」という動物からインスピレーションを受けたパシンが創造した人面獣。
おとなしい生物だが、自分の体の大きさを理解せずに無邪気に人間にじゃれついて潰してしまうことがある。

コメンバイ

生息地:シティ全域

形態:体長20〜40cm、体重1.5〜3kg。オオメンバイをそのまま小さくしたような外見の生物だが、幼体ではなく別種。

生態:単体で行動するオオメンバイとは違い、群れで行動することがある。
また「メンバイ語」という独自の言語を使い、メンバイ間でのコミュニケーションを取っている。
雑食性で、人間を食べることもあるが、人間もコメンバイを料理にしている。

メンシャ

生息域:シティの鉄道上

形態:全長約15m、体重約30t。

生態:異世界の「面這」という生き物から着想を得たパシンが「ビャッコパシティオオメンバイ」という生き物を考案し、マデンスが品種改良で「コメンバイ」を発明し、再びパシンがコメンバイから着想を得た「メンガイ」という生き物を考案、マデンスが品種改良した「オオメンガイ」という大型種を動力にした列車「メンシャ」を発明し、街の公共交通機関として、鉄道車両の牽引役を担っている。
概ね予定通りに運行しているが、たまに線路上に立ち入ったコメンバイを食べて遅延が発生してしまうこともある。

ヨツァーシ

生息地:シティ全域

形態:体長約1.6m。フターシィによく似た顔の人面獣だが、生まれたのはこちらの方が先。

生態:食肉用に飼育されているが、死を恐れる様子がまったくなく、同族が食べられていても気にしないどころか、共食いをすることもある。
シティでフターシィたちが活発に動いている時期は、生息数が極端に減る。

ハネコウベ

生息域:シティ全域

形態:体長約20cm。人間の頭に手と翼が生えた鳥のような生物。

生態:簡単な言葉を覚えるほどの知能があり、野生の個体でも「クレ」と鳴いて食べ物をねだることがある。
興奮するとえげつない声を出して暴れ出す。

オチャティーとマッキンバード

生息域:TEAプラス

トッシュの店の看板獣たち。
コメンバイの中でも一際小さい個体の「オチャティー」と、羽が小さすぎて飛べないハネコウベの「マッキンバード」の2匹が、トッシュの手によりダッチャバナイズされた姿。
マッキンバードは飛べない代わりに足(手)が速く、トッシュが投げるオチャティーをキャッチして遊ぶが、オチャティーも鍛えているので投げられた程度ではなんともない程には丈夫。

イノリガミアゲハ(祈神鳳)

生息域:シティ全域

形態:体長約10cm。再生紙にセン状液を染み込ませた白い蝶。

生態:マデンスが発明した人工虫。
街中を飛んでいたり、デンキウソウに止まっている。
 自然界における虫の役割や、情報伝達などを担っている。
シティにおける重要なインフラのひとつであるため、仕事としてフターシィやバイトのパシアン人が毎日折っている。

名前の由来は、マデンスが「折り紙」を「祈り紙」と誤読していたことから。

クラゲブエ

生息地:キリナミ区、水没街洞窟

形態:体調約30〜50cm。
ひらひらのフリルのヘッドドレスをかぶった生首のような生物。
顔の下にもフリル状のひだが広がり、個体によって多層に重なっている。
フリルの層が重なって伸びた姿が縦笛のような見た目になることから名付けられた。
半開きの目のぼんやりとした表情をしている。髪のように見える部分は全て触手。

生態:水中の地面や壁に張りつき、触手を伸ばして水中を漂うデンキウソウの葉などを取って食べる。
時々トトトトモンという人面魚とキスをしているような光景が見られるが、実際は自分を食べに来たトトトトモンを触手で痺れさせている間に口から養分を吸っている、互いに生きるか死ぬかの戦いの真っただ中である。
一定の層までフリルが成長すると、それが弾けて小さなクラゲブエをばらまき、水中を漂うフリルは地面や壁に付着して繁殖する。

トトトトモン

生息地:キリナミ区、水没街洞窟

形態:体調1.6〜2m。
細長い体と穏やかな笑顔に見える形状の顔を持つ人面魚。
薄いピンクと白の縞模様の可食部を持つ。

生態:人懐っこい性格で、泳いでいる人間を見つけると寄って集まってくる。
サーモンが好きだったパストトのために、彼女の好物だったサーモンのような肉質の魚をマデンスが開発し、パシンが「(パス)トトと友(+サーモンのモン)」と名付けたことに由来する。
ピンクのイクラのような卵を産み、どちらも食用として街で流通している。

アリシビイヌワラビー

生息地:編集中

形態:編集中

生態:編集中

文化・生活

「タユウ」の考え

パシアン人は他の世界の人間からすると、まともではない生き方をしているように見えることがある。
嗜好や価値観など、俗世の常識から逸脱している狂人たちが、この街で自由に暮らしていた。

しかし、彼ら自身の中に自由があるわけではない。
彼らにとっての自由とは、他人のコントロール出来ない部分にあるものだからであり、彼らはこれを「タユウ」と呼んでいた。

言語

ビャッコパシティでは「シラトッタ語」と呼ばれる言語が使われている。
(でも未知の言語バリバリ使ってたら作品を見てくれる人に全然伝わらないから日本語訳してるというテイになってる)

出会いの挨拶は「ヨイヤ」(元気な場合は「ヨイヤヨイヤ!」と2回言う)。
別れの挨拶は「スモブンシク」。

「インディゴ・カラシアン」という饅頭があり、その名前の由来は「夜明け」を意味する言葉となっている。

通貨

ビャッコパシティでは「シラ」とよばれるコインが通貨となっている。
1シラ=100円ぐらいの価値。
シラよりも小さな「タマ」という単位もあり、小さな玉の形をしている。
15シラ5タマ=約1550円。

外の世界で使われている「ペレット」という通貨と同じように、シラも食べることもでき、たまに顔つきの当たりがある。

シラもタマも普段はパシアン人の体の中にしまわれ、支払い時は手などから直接出す。
100シラを超えるような大きな額の支払いは電子決済を使い、口座から直接引き落とされる。

ビャッコパシティでは再生紙が多く使われている。
資源を大切に使うという面もあるが、再生紙はパシアン人文化において信仰が深いものでもある。

折れたりシワがついたり、汚れなどで肩の下がった紙が再生紙として再構築される様子は、固定観念にとらわれないパシアン人の共感を引くものとされる。
とくに厚紙の再生紙が持つ意味合いは、その紙自体よりも、大きく、重みのあるものとされている。

住民が不必要になった紙を回収するため、シティではよくフターシィの乗った古紙回収車(自動車とメンバイ車がある)を見かけることができる。

恐怖祭

ビャッコパシティで10月末に行われる、恐怖がテーマの芸術祭。
各がお菓子を持って趣向を凝らした恐怖で化かし合い、腰を抜かした相手からお菓子をひとつもらうのが決まりとなっている。

与紅祭(よこうさい)

冬に行われるクリスマスのようなイベント。
身近な人にプレゼントを贈り合うという、経済活性化イベント。
何かをプレゼントする意思のあるパシアン人は、体の青い部分が赤っぽくなる。

食文化

にく料理

ビャッコパシティで普遍的に見られる人肉料理。
原料はこみやにくるの肉だが、彼女の体自体が成型肉で作られているため、味はハンバーグやサイコロステーキに近い。
彼女の体は食用可能ではあるが、食用目的で製造されているものではないため、活動停止した肉体を余すことなく有効活用するための食文化である。

メンバイ料理

ビャッコパシティで普遍的に見られる肉料理のひとつ。
おもにフターシィたちがその辺のコメンバイを捕まえて調理して食べるものだが、コメンバイも集団やオオメンバイを使ってフターシィ含む人間を食べることもある。
ちなみに、コメンバイはまな板の上に乗せてもおとなしいため、調理がしやすい。

ジッカマート

目玉商品

【手作りカシワモチ】
パストトの好物だった柏餅。
「手作り」と銘打ってはいるが、餅は機械でついている。

【インディゴ・カラシアン】
ビャッコパシティの名物菓子。
藍色の練り切りで、生地の中に「カラシ」と呼ばれるミントを練り込んだ餡が入っている。

【ソウメンバイ】
そうめんの玉を丸まったメンバイに見立てたお惣菜。

コッカキア

こみやにくるのアイドル事業に出資しているスポンサー企業「コッカキア」が製造販売している炭酸飲料。
主に自販機で売られている。
人工的なビビッドカラーの液色と、薬っぽい風味で人を選ぶ飲み物。
豊富なラインナップを揃えた商品だが「味はどれも同じ」と語る者もいる。

ラインナップ一覧

【コッカキアフレッシュ】
シティでもっともスタンダードなピンク色。
「にくる風味」として売られている。

【コッカキアアサヤケ(ピンクと水色)】

【コッカキアサザナミ(青と緑)】

【コッカキアファイバー】
ビタミンと食物繊維を含んだオレンジ色。
基準の表記は「野菜3個分」。

【コッカキアエナジー】
黄緑色にほんのり光るエナジー飲料味。
カフェインとタウリンが入っている。

【コッカキアホワイト】
甘酸っぱい乳酸菌風味。
チノミヤでは原液を売っている。

【コッカキアマッチャ】
TEAプラス限定品の抹茶味。

【コッカキアデストロイ】
ザ・テンネズ内のドリンクメニューにある味。
真っ赤な色と強い酸味が脂っこい料理と相性がいい。

【コッカキアトリップ】
パシアン人の体に反応する成分が含まれており、飲むと酔っ払ったような状態になる。

【コッカキアクロニクル】
香ばしいスパイスの黒色。
光にかざすと、コーラよりもブルー寄りのグレーの色をしているのがわかる。

ザ・テンネズ

食べ応えのある肉と、したたる血のようなソースを使ったハンバーガーやフライを提供している、ダイナー風のファストフード店。
下半身が魚のモルモットが描かれたロゴが特徴。

ハンバーガー

【デビルバーガー】
「悪魔的中毒性」をコンセプトに作られた実験作だが、「スタンダードなものが一番リピート率が高い」という結論に落ち着いた。
・オーロラソース
・レタス
・トマト
・オニオン
・ピクルス
・チーズ
・パティ

【フラワーバーガー】
赤いハムやサラミ、トマトを重ね、バラのような花を挟んだように見立てたハンバーガー。
血のように真っ赤な酸味のあるソースを使い、さっぱりとした味が特徴。
・トマトソース
・トマト
・ハム
・サラミ
・ピクルス
・レタス

【アンデッドバーガー】
肉や野菜の具沢山コロッケを挟んだバーガー。
パティの切れ端や揚げカスなど、その日のうちに消費するぶんには問題のない材料の切れ端を使った食材の再利用メニュー。
・中濃ソース
・コロッケ
・野菜(サラダの切れ端)

【ジョイバーガー】
みのくま村名物の腸詰めを使ったハンバーガー。
バンズに収まるように細めに作られたものが4本挟まっており、指と見間違えることもある。
・チーズソース
・ケチャップ
・腸詰め
・オニオン
・レタス

【マーメイドバーガー】
7種の海の幸を使ったフライを挟んだフィレオバーガー。
・オーロラソース
・チーズ
・シーフードフライ(えび、貝、たこ、いか、魚など)

【アンドロイドバーガー】
マデンスの発明したメニュー。
二度揚げした角切りポテトと円盤状にカットしたオニオンを挟んでいる。
マス目状に切れ込みの入ったバンズの上にピンが刺さっている。
・オーロラソース
・角切りポテト
・オニオン
・サラミ

【にくるバーガー】
定期的に販売される期間限定のコラボメニュー。
厚いパティの上に角切りステーキを乗せた、肉まみれの贅沢な一品。
・オーロラソース
・オニオン
・ニクルス
・チーズ
・角切りテーキ
・パティ

サイドメニュー

【フリッツ】
いわゆるフライドポテト。
二度揚げされており、非常にサクサクしている。

【ナゲット】
ハネコウベのミンチ肉を使ったスナック。

【フライドコウベ】
ハネコウベの肉を使ったフライドチキンのような食べ物。
外観上は腕だが、機能的には脚として使われている部位を使っている。

【ヨツァーシの串焼き】
文字通りヨツァーシの肉を串焼きにしたもの。
ヨツァーシも平気でこれを食べる。

【アンデットフライ】
アンデットバーガーに使われている、末端素材コロッケ。

【サラダ】
レタスやキャベツ、タマネギなどの淡色野菜のサラダ。

ドリンク

プラス料金でフロートに変更可能。

【コッカキア各種】
【炒り豆茶】
【ニクルーツジュース】
【野菜ジュース】
【アイスティー】
【アイスコーヒー】

デザート

【ソフトクリーム】
シンプルなミルクソフト。

【ドーナツ】
表面をサクサクに揚げた、数個入りの小さなドーナツ。

【スパイラルドーナツ】
通常サイズのドーナツの上にソフトクリームを乗せたデザート。
チョコソースやカラースプレーをかけて見た目も華やか。

チノミヤ

トロビヤスが経営する喫茶店。
豊富な種類のミルクをはじめとする「白いもの」を販売している。
裏メニューもあるらしく、メニューにないものでも「白いもの」であれば、取り寄せるなど柔軟に対応してくれる。

メニュー

全品お持ち帰り可能。

【トロビヤスのトロトロ汁】
チノミヤの人気No.1メニュー。
くず湯にコーヒーミルクを混ぜただけのシンプルなものなのですぐに用意できる。

【こだわりミルク各種】
シティ内で採れたものや、外の世界から取り寄せたミルクを数種類飲み比べたり、オリジナルブレンドを作ってもらうこともできる。

【コッカキアホワイト】
好みに応じて原液と割り物のバランスを変えてもらうことができる。

【白いオムライス】
ハネコウベの卵を使ったふわとろオムライス。
中はバターライス、上にはチーズソースがかかっており、すべてが白い。
バターライスの単品でも注文が可能。

【塩むすび】
トロビヤスが直接握って作ってくれるシンプルな塩むすび。

【豆成印の冷奴】
マメナリの店から仕入れさせてもらっている豆腐。
ちゃんと美味しい。

【ホワイトプリン】
ミルクとハネコウベの卵を使った、トロビヤスの手作りスイーツ。
ゼラチンも使っており、弾力がしっかりしている。

【チノミヤミニケーキ】
スポンジとホイップクリームだけのシンプルなミニケーキ。
製造はジッカマート。

【チノミヤかき氷】
コッカキアホワイトの原液と練乳をかけた夏季限定メニューだが、お願いすれば冬でも出してくれる。

【トロ君印のミルクトロップ】
エキアン堂で生産している、トロビヤス監修の飴。
ドロップタイプとペロペロキャンディの2種類があり、後者を買ってその場でトロビヤスにプレゼントする客がいる。

雑貨

【トロビヤスの壺レプリカ】
トロビヤスの壺を再現した陶器。
食器や植木鉢などとして使える。

【メンバイの毛ブラシ】
メンバイの毛を使ったふわふわのブラシ。

【骨、貝、流木】
シティで拾った白いものが箱に入ってバラ売りされている。
ハンドメイドの材料として使える。

【おトートバッグ】
トロビヤスの顔が描かれたトートバッグ。
絵のトロビヤスには「お兄ちゃんだよー♡」というセリフがあり、持った者は彼の弟になった気分を味わえる。

【石けん】
やさしいミルクの香りとやわらかいフローラルな香りの2種類。
エキアン堂製品。

【ビニール袋】
チノミヤオリジナルデザイン。
商品を買うともらえるが、袋だけでもまとめて買うことができる。

その他サービス

【ハンドウォッシュ】
石鹸を買うと、お湯を入れた洗面器でトロビヤスにその石鹸を使って手を洗ってもらえるサービス。

【もぐもぐおてつだい】
注文した料理をトロビヤスに直接食べさせてもらえるサービス。

【おとりよせ】
店のメニューや商品棚にないものを取り寄せてくれるサービス。
基本的に白いもの限定。

【おこのみキッス】
ほっぺや手の甲など、好きな場所にキスをしてくれるサービス。

豆成豆腐店

マメナリ経営する豆腐屋。
店で暇をしている時もあれば、スポーツカーに乗って移動販売をする時もある。
しかし、気まぐれに手を出した事業がちょくちょく失敗しては破産し、燃料代が支払えなくなりラッパを片手にリヤカーを引いて豆腐を売ることもしばしば。
店の裏にはカジノという名のゲームセンターがある。

豆腐売り場

【絹ごし豆腐】
口当たりなめらか。

【木綿豆腐】
歯応えがしっかりしている。

【高野豆腐】
マメナリの言う「豆腐メンタル」は最低でもこれぐらい固い。

【豆腐バー】

【豆成豆乳】
「まめちち」ではない。
成分無調整の飲み応えのある豆乳。

【フレーバー豆乳】
外の世界からの輸入品で、さまざまな味のバリエーションがある。
外の世界で買うより高くつくが、エキアン堂には流さず独占している。

【味噌】
シティの和食文化を支えるこだわりの味噌を数種類揃えている。

【茶碗蒸し】
ハネコウベの卵と、トトトトモンのだしを使った具材のないケチな茶碗蒸し。

【厚揚げ】
そのまま焼くだけで十分おいしい。

【マメナリコーヒー】
濃く抽出したコーヒーに大量の砂糖とミルクを混ぜた、「もらえるものはあるだけ入れる」というマメナリの精神を反映したコーヒー。
シンプルに水分が足りない。

TEAプラス

トッシュが経営するお茶の専門店。
抹茶をはじめとした粉末茶や茶葉のほかに、青汁やプロテイン、茶器やトレーニング道具など、抹筋に染まった品揃えとなっている。
店の奥にはカフェスペースもある。

カフェスペース

【抹茶】
抹筋流茶道で淹れた抹茶。
「マッチャコナドゥー‼︎」と叫びながら全力でお茶立てする様子は見もの。
客席から見えなくても厨房の奥から叫び声が聞こえてくる。

【抹筋グリーンティー】
抹筋流茶道で淹れた抹茶。
質より量の精神でゴクゴク飲もう。

【抹茶豆乳ラテ】
抹筋流茶道で作った抹茶ラテ。
豆成豆腐店から仕入れた特濃豆乳に濃い抹茶のマーブル模様がおしゃれ。

【めっちゃ粉ドゥーソフトクリーム】
抹茶味のソフトクリームの上からさらに抹茶粉を振りかけた濃い抹茶ソフト。
むせる。

【チャールズの抹茶プリン】
外の世界にある「チャールズ」というメーカーのすでに生産終了した抹茶プリンを勝手に再現して売っている。

【抹茶ロールケーキ】
エキアン堂の工場で作ったロールケーキ。

【各種お茶】
煎茶、玄米茶、ほうじ茶、豆茶、紅茶、ウーロン茶など。