人類愛護淫魔団体 フィリア・クルス

基本情報

フィリア・クルス

「人類愛護淫魔団体」を名乗るサキュバスの組織。
あらゆる異世界に進出しては、「救済」と称した侵略、誘拐、プロパガンダ活動を行っている危険な集団。

時空移動船 フィリア・クルゥズ

フィリア・クルスの拠点となっている、全長42.6kmの超巨大浮遊船。
中には無数の「クルービー」と呼ばれる淫魔が乗っている。
クルービーの全てがメスであり「人間」として権利と義務を与えられている。
一方でヒト族のオスは「オバナ」と呼ばれ、動物・備品・クルービーたちの食糧として"飼育"されている。

蜂魔族(ほうまぞく)

フィリア・クルスのサキュバスの総称。
昆虫のハチのような生態と社会文化を形成していることからそう呼ばれている。
イールデ人よりも高い身体能力を持っているが、不死ではないうえ寿命も短い。

龍(リウ)

フィリア・クルス内の各部署の幹部に君臨する強い力を持った淫魔のみが持つ称号。
頭にも飛膜が生えているのが特徴。

総合セクション幹部:蜂龍(ホウリウ)
武力セクション幹部:蟹龍(カイリウ)
技術セクション幹部:栗龍(リツリウ)
魔術セクション幹部:臼龍(キウリウ)

クルービー

フィリア・クルゥズの乗組員で「龍」以外の構成員の総称。
リーダーであるパシココの意向で、序列や階級を設けず、全員が平等の仕事量と報酬を与えられる。
多くはパシココの卵から生まれた者で、それ以外は別種の人類を改造手術や魔術で淫魔の体へと変化させたもの。
「平等」とは名ばかりで、実際はクルービー間での上下関係や陰湿なやり取りが横行している。
純度の高いクルービーの思考力は弱く、ただ目の前の欲望に忠実な存在となる。

各セクションと幹部サキュバス

総合セクション:ハニークィーン

最も人数の多い部署。
組織運営における業務や、外部組織との連絡交渉、船内の衛生管理、飼育生物の世話など、さまざまな雑務をこなす。
外部の人類へ向けたプロパガンダ商業の展開なども行なっている。

【テーマ・デザインモチーフ】
⚫︎橙色
⚫︎フォーマルスーツ
⚫︎軍服
⚫︎スポーツウェア

【蜂龍】妖淫帝 ラ・パシココ・ドゥパニスカス/La Pacycoco Depaniscus

身長:218cm
一人称:わたくし/あたし(公私で使い分けている)
性格:自然と動物(特にヒト)を愛し、嘘をつけない真面目で几帳面な性格だが、"天然さ"で片付けてはいけないほどの"倫理的な欠陥"を抱えており、腹の底では何を考えているか分かりにくい。
好きなもの:命、ハチミツ、金魚、ダイダイの軍艦巻き。
(ダイダイ:アマノツカイと呼ばれる時空の狭間を泳ぐ「魚」の精巣。オレンジ色をしている。)
趣味:健康維持、アクアリウム作り。
大事にしているもの:調和、古い知人の写った写真

【詳細】
・人類愛護淫魔団体「フィリア・クルス」の四天王幹部の一人であり、組織の代表を兼任している。
また、彼女らの使う超巨大客船型時空移動船「フィリア・クルゥズ」の船長でもある。

・「誰もが平等な、愛の組織の象徴」であろうと考えているが、根本的な価値観に周囲とのズレがあり、彼女を見る立場によっては、心を持たぬ悪魔そのもののように見える。
崇拝する側になれば頼もしい存在だが、敵に回すと非常に厄介な相手となる。

・「吸収」という言葉に強い関心を示しており、知識や物理的な力、組織の権力的なものまで、あらゆるものを吸収して自分のものにしようとする。
多くの力を吸収し続け、ゆくゆくは「ハレハレ」と呼ばれる新人類を超えた大人物となり、人類を幸福の溢れる世界へと導くという野望を抱えている。

・死者の魂を吸収すると、その記憶を受け継いだ淫魔を産む能力を持ち、意識を共有した自分のクローンや、命を失った配下を大量に複製して、組織の維持と強化に繋げている。

・かつてはライツキーパーにも所属していたが、そこで酷い魔族差別を受けて脱退した過去があり、「魔族の尊厳」に強く執着するようになる。
その一方で、肉食など生命の搾取には何の抵抗も持たない。
パシココにとってその線引きは「糧を愛し敬意を払うか」であるため、例えば食べ物を粗末に扱うような人間を許すことができない。

・手に技術セクション製のグローブタイプの注射針を装着しており、必要に応じて相手の体に毒や鎮静剤を注射する。

・ハチミツのような甘い匂いがする。

【セリフ】
「文字と絵しか生み出せないガラスの壺なんかよりも、命を生み出す肉の壺の方が、ずっと価値があると思いません…?」
「みんなと同じ。素晴らしいことです」

【関連アイテム】
・蜂蜜
・金管楽器
・針

【キーワード】
・ハチ
・黄金
・ハニカム
・吸収
・サキュビズム
・8455
・P
・6

パシココの開発ブランド・商品

Succubisme Healthcare
(サキュビズム・ヘルスケア)
サキュビズム思想に基づいた健康促進ブランド。
健康食品やヘルスグッズ、パシココによるフィットネス動画の配信を行なっている。
Bee's kness (ビーズニーズ)
総合セクション管轄の食品ブランド。

⚫︎商品
【パシココ印のハニーコーク】
Bee's Kneesの主力商品。
侵略先の民間人へのイメージ戦略として開発され、無料配布されることもある(侵略したらその世界の金は意味がなくなるため)。
現在では催淫効果と抗うつ薬の効果を持つ成分が混入されており、強い自我が芽生え始めたグルービーの思考をコントロールするためにも使われている。
スーパー三々辺(サンサンペン)
船外の世界で高級食材や自社工場製品を取り扱う、Bee's kness グループの富裕層向けスーパーマーケット。
フィリア・クルスが直接経営しているものではないが、熱心な蜂龍神教信者の社長が経営しており、インターネットで「スーパー サンサンペン」と検索すると、サジェストに「宗教」が出てくる。
船内の購買部には支店として存在しており、そこで発生した収益を三々辺の運営資金に回し、異世界に増やした店舗を船外活動の際の補給ポイントとして利用している。
WAGGLE DANCE (ワッグル・ダンス)
こちらもイメージ戦略として作り出された普通のスポーツウェアブランド。
各セクションの雰囲気をモチーフにしたおしゃれなデザイン。
でもなんだか体型が強調されたり、肌の露出が多いような気も……
8BEETs (エイトビーツ)
電子楽器のブランド。
総合セクションのクルービーには専用の黒い電子トランペットが支給される。
船外活動の際、クルービーは出力が強化された専用モデルの装備が義務付けられており、衝撃波や音波による「抵抗」ができるが、これはあくまでパシココの倫理観による「銃を使わない人道的な防衛手段」という建前になっている。
さらにこのモデルにはスコープが付けられており、より一層銃のような見た目をしているが、パシココはこのモデルに「Destination」と名付け、あくまでも「旅の行き先を見るためのもの」という航海にちなんだものと言っているが、ぶっちゃけ空振り屋となっている。
Honeycomb Label (ハニカム・レーベル)
メディア業専門のブランド。
本の出版や楽曲のリリースなどで異世界人へのイメージ戦略を行っている。
パシココの自己啓発本が意外と売れている。
龍金(リュウキン)
フィリア・クルスの存在が侵食した世界に作られる、会員制の富裕層向けカジノ。
富裕層向けではあるが、入会費と資金さえ用意できれば、どんな貧乏人であろうとも、支配人のパシココと、ツツイ・クララが、高級感のあるバニースーツ姿で客を歓迎する。

名物「デモンスロット」は6つあるリールの大当たり「ラッキーシックス/666666」を連続で出し続ける度に出てくる金額が増えるが、出金のためには勝負を降りるペイアウトレバーを引かなくてはならない。
もしレバーを引かない状態でひとマスでも絵柄を揃えられなければ、金額はゼロになる。

カジノで一定額勝つごとに「一回、バニー・クララと一枚越しの権利」を手にすることが出来るほか、各週、そのカジノでつぎ込んだ金額と勝ち取った金額の合計「流金値」が最も高い者には、特別仕様のプレミアム・バニーガール・クララが1体与えられるため、悪魔に脳を溶かされた客は血眼になってスロットに向かう。
さらに、最大琉金値の記録を塗り替えた者は、「支配人パシココ及び店舗内全てのバニーガール・クララの支配権」を、その記録が塗り替えられるまで手にすることができる。

もし遊戯中に資金が尽きても、その場で資産や親族、臓器などを担保に借金をすることができる。
このカジノでは、全ての臓器や残りの人生で、最低でも人間1人分で数億円を確保できる。
万が一破産しても、フィリア・クルスはしっかりと取り立てる。
その他の保有ブランド名
「GOLDEN・PISTON」「HEXANET」「ほうまのしっぽ」など

ハニークイーン・クルービー「角蜂(ホーンズビー)」

頭脳にも体力にも秀でておらず、魔術を使いこなす才能もない普通のサキュバスたちで、人員を多く要する仕事を担っている。
以下のメンバーはその数多く存在するクルービー班のうち、3745班に所属する者。

⚫︎ミツエ
かつてライツキーパーに所属していた、元イールデ人の新入りサキュバス。

ライツキーパーで問題行動を起こして家から出られなくなるほど追い込まれていたところにクルスからの勧誘が届き、稾にも縋る思いで加入した。

慣れない淫魔の文化とパシココをはじめとする龍たちの狂気に当てられ、不安定になる精神を大量のハニーコークで抑え続けながら、同じ班に所属していたツツイ・クララへの友情でなんとか心を保っていた。

しかしある時船内に侵入者が現れ、武力セクションが到着するまでの時間稼ぎとして多数のクララが一斉に肉壁となった。

ミツエの心の支えとなっていた個体はその一件で行方も生死も不明となり、強い孤独感に陥った結果、人格が破綻してしまった。

本来なら人権を剥奪され動物として愛護されるべき精神状態になっているが、ツツイ・クララの命を消費するような仕事に自ら志願して数人分の働きを見せるようになったため、なんとか人間の職場にしがみついている。

⚫︎マヤー
ミツエの同期で、パシココを崇拝する蜂龍神教の信者。
癖っ毛でパッとしない田舎者のような顔をしている。

⚫︎ムサシ
顔にサイバネティック手術を受けた跡があるクルービー。
生真面目で、過剰に正義感が強く、歯に衣着せぬ物言いで周囲から反感を買いやすい。
よく技術セクションに出入りしている。

⚫︎メメン・トーニァ
物忘れが激しいクルービー。
髪がボサボサで、言動がやや野生的。

⚫︎モリ・マイン
トップスのボタンを開けている、だらしのない脱力系ギャルのクルービー。
蜂龍神教信者で、「自我を種族に帰せば、死は救済となる」という教えを信仰している。

⚫︎シリゾキ
老化に差し掛かり、能力が衰えて女王の座を他のパシココに託して「龍」を引退したパシココ。
階級や業務内容は他のグルービーと同じになる。
強く大きな女王のパシココと見比べると、小さくなった背中に哀愁が漂っているように見える。

第22世代e型人造人間「ツツイ・クララ」

身長:約160cm
一人称:わたし
性格:常に笑顔だが、人間味がなく、無個性。
好きなもの:「目の前にいるあなた」ということになっている。
趣味:暇な時間にやることがないと、ノートにひたすら四角形を描き続けている。
大事にしているもの:組織運営

【詳細】
フィリア・クルスでクルービーに混じって組織運営に携わっている量産型人造人間。
パシココがビャッコパシティで手に入れた技術と、クルスが漁で捕獲したアマノツカイという魚の卵を使い、技術セクションがいくつもの試作を経てようやく完成したのが第22世代型のeタイプである。

自我を持たないため、新人クルービーが与えられた業務を拒否して業務が滞った場合や、クルービーの命を消耗するような仕事を代わりに任されている。
また、その作られた天使のような笑顔から、クルービーや収容された異世界人のメンタルケアや、異世界向けの映像メディアコンテンツ、組織のマスコットキャラ的な運用などにも使われている。
書類上の扱いは「人間」ではなく「備品」であり、一部のクルービーからは「悪魔に使役される天使」とも呼ばれている。

食用も可能で、肉質はサーモンに近い。

用途に合わせて、さまざまな種類のクララが製造されている。

【セリフ】
「サー! 了解です」
「シェイク・シェイク・モン・モン♪」

【関連アイテム】
・イクラ
・金魚
・木彫りのクマ

【キーワード】
・筒
・魚卵
・悪魔に使役される天使
・22e

⚫︎ホールロイド・クララ

身長:約160cm

汎用的に使われているクララシリーズ。
船内での雑務をこなす他、淫魔と交わることに抵抗のある人間の対応や、異世界の人類向けプロパガンダ映像の「人類役」などに使われている。

⚫︎エンゼル・クララ

身長:約160cm

フィリア・クルゥズの動物飼育区画にある、ヒト族専用の「有限天国」というエリアで、書類上は動物として飼育されている人間の世話をしている。
オレンジ色のジャージメイド服姿で、主にロールアウトしたばかりのクララが研修を兼ねてここで働いている。

有限天国のヒト族は知能が低下しており、小さな出来事も不安に感じてしまう場合があるため、エンゼル・クララが職務中に負傷した場合、たとえ擦り傷であっても翌日からは有限天国の外に異動となるか、損傷の場合によっては「処分」されている。
そのため、有限天国上がりのクララは、人間のクルービーから「堕天使」と陰で囁かれることも多い。

⚫︎プルーシュ・クララ

身長:約30cm

ぬいぐるみサイズの体になったクララ。
指がなく、仕事能力も通常のクララに比べて大きく劣り、歩いて喋る以外のことはほとんど出来ない。
人間性を奪われたこのクララは、対人恐怖症の人間へのセラピーツールなどの運用目的で量産されている。

こんな見た目だが、通常のクララと同じ人工生命体である。

⚫︎アクアリウム・クララ

全長:約180cm

生物好きなパシココが観賞目的のために技術セクションに作らせた品種改良クララ。
元々魚類だった種族を無理やり人間型に進化させたものを、再び水生生物へと先祖返りさせた。
パシココはこれを飼育区画の巨大な水槽で数十匹ほど飼育し、世話をする以外にも、水槽の中に入って一緒に泳いだりして日々の疲れを癒している。

言語能力を失い、知能もほとんど持たず、人間が水槽に近寄ると、笑っているように見える顔で群れをなして集まってくる。
このペットを見たクルービーの中には、そのコンセプトのおぞましさに嘔吐した者もいる。

⚫︎カーシニゼーション・クララ

身長:約160cm

武力セクション用にカスタマイズされた戦闘用モデル。
主に使い捨て兵士としての運用や、クルービーの人員不足を補う用途で使われている。

人格や表情は他のクララと同一だが、力を制御するリミッターが外されており、命令されれば腕の骨が剥き出しになるまで相手を殴り続ける殺人マシーンと化している。

武力セクション:ファイトクラブ

暴力を好まないパシココだが、防衛力や交渉の手段としての軍事力は保有すべきという考えから設けられた部署。
主任であるマイヤーの激しいパワハラにより、戦場よりも船内の方が致死率が高いとまで言われている。

【テーマ・デザインモチーフ】
⚫︎赤色
⚫︎軍服
⚫︎パンクロック
⚫︎デスメタル

【蟹龍】カニン・マイヤー・シザース/Canin Mayer Scissors

身長:162.2cm (通常時)
一人称:オレ
性格:凶暴で人間嫌い。
好きなもの:バイク、生肉。
趣味:喫煙、ボウリング。
大事にしているもの: 自分の命、ペットのクラブモン。

【詳細】
・「暴力二番手」の名で知られる、武力セクションの主任。
「シェーレ」と呼ばれるアーマーリングを人差し指と中指に装着しており、指で弾いて起動すると、カニの鋏のような武装となり、腕を覆う。
人差し指は切断に特化した鋭い鋏の「シュナイデン・シェーレ」、中指は打撃に特化した重く硬い装甲の「シュラーゲン・シェーレ」。

・非常に素行が悪く、息を吐くように差別用語を連発する。
また、パシココ以外の幹部やクルービー、クララに対し頻繁に暴力を振るうため、普段はパシココに魔力を封印され、身長も小さくなっている。
マイヤーの力の大半は魔力に依存しているため、普段の力は全力の2割しか使えない。
元の身長は190cm。

・粗暴な振る舞いゆえに馬鹿と思われがちだが、本質は非常に繊細すぎる性格で、常に強い被害者意識が高い攻撃性へと直結している。
実際は無駄に器用で勘が鋭く、復讐のためなら手間を惜しまず、敵としても味方としても非常に厄介。

・「優しさ」ともてはやされる人間性が生理的に大嫌いで、人間性や人道を全否定した言動が目に余る。
パシココのことは「人間の顔をしたヒトでない何か」として考えている。

・パシココから与えられた黒毛のコメンバイに「クラブモン」と名付けてペットにしている。
クラブモンの飼育には不自然なまでに金がかけられており、給料の半分以上がクラブモンに注がれているとの噂も。

・技術セクション幹部のマキナを軽蔑しており、マキナが視界に入るだけで露骨に苛立ちを見せる。
それはマキナと初めて出会った場面が、「盗まれた船の動力源を取り戻しに訪れた廃館の防衛システムとして機械化された少女(後のマキナ)に不意打ちで撃たれた」というものであり、その強い恨みによるもの。

・血のような、磯のような、ほんのり生臭い匂いがする。

【セリフ】
「腐った眼(まなこ)からひり出たゴミカス…毛の生え揃ってねェスベマン…クソボケのミソ無し…存在価値の無ェゴミどもばッかだ」
「マキナてめェ!! ブックラしてやる!!」

【関連アイテム】
・鋏

【キーワード】
・カニ
・無差蔑
・暴力二番手
・癌座-゛
・C
・2
・0622

マイヤーの暴言一覧

「ザコ」
いわゆる雑魚。
ただし、マリニアン(魚人)が存在するこの世界では、放送禁止レベルの差別用語といって差し支えない。
・例
「ザコがァッ!!』
「スベマン」
「ゾエア」
「メガロパ」
「未熟者」という意味で、主にマイヤーの部下を叱責する時に使われる。
・例
「毛の生え揃っていねェスベマンどもが!」
「気色悪ィゾエコンがヒト語喋ッてンじゃねェ」
「ネリ」
目の付け所が悪い人に向けて使われる言葉。
「計画が日の目を見ることなく中止される」という意味で「ネリ入り」と表現されることもある。
・例
「どこ見てンだネリ女郎!!」
「ハカリ」「モトマ」「アウトベース」「テッポウ」
「頭のおかしい異常者」という意味で使われる。見出しは表現が軽い順に並べている。
・例
「テッポウみてェな目で見てンじゃねェ!テッサにされてェのか?!」
「ヒューパンジー」「エテブタ」「トンパン人」
人類(主にイールデ人)に対して使われる別称。
マイヤーは全ての人間を分け隔てなく嫌悪しているが、「全ての生物は平等で対等である」と考えるパシココはこの表現を特に厳しく否定している。
「ブックラす」
相手への強い殺意を表現する言葉。
命令形は「クラえ」。
「ブリドス」
皮肉や嫌味を言う人間を指す言葉だが、この言葉を使う相手のほとんどがマキナ。
・例
「ブリドスッてねぇと息もできねェのか!」
「マカク」
フィリア・クルスの外では一部の獣系人類に使われる差別用語。
マイヤーは単に気に入らない人間(主に男性)を罵倒する時に使っている。

ファイトクラブ・クルービー 「オブキャンサー」

フィリア・クルスが防衛や交渉の場面でやむを得ず武力を行使する際に出動する武闘派サキュバスの集団で、所属クルービーの数は総合セクションの次に多い。名称の由来は「有象無象の淫らな悪性腫瘍」という意味らしい。

全部で52の班に分けられて、トランプカードにちなんだ班名を与えられ、以下のメンバーは、そのうちの精鋭部隊「♣︎K(クラブキング)班」に所属する者たち。

⚫︎クロッコ
マイヤーには劣るものの、腕っぷしの強い剣士のサキュバス。
真面目な性格であるが故に、マイヤーからは事務仕事を押し付けられ、周囲からは厄介ごとの巻き添えを喰らってばかりいる。
甘党。

⚫︎ベッチカ
モノクロの世界で生まれたサキュバス。
真っ赤な口紅がチャームポイント。
骨格の全てが関節になっており、鞭のようにしなやかな体で踊りながら歌うのが好き。
ファッションの趣味やものの考え方が古い。

⚫︎ウォービッヒ
野性的な性格のサキュバス。
仕事では頼り甲斐があり、私的な場面では男子中学生のような下品なノリで笑う。
親しみやすさのある人柄だが、仕事となればたとえ親しい相手でも躊躇なく攻撃できる、公私のハッキリした人物。
オブキャンサーの中ではかなり腕が立つ方だが、うっかり不用意な発言をしてマイヤーに首を飛ばされることが多い(物理)。
辛口のカレーとでっかい犬が好き。

⚫︎バンミスキー
身体中にツギハギがあるサキュバス。
技術セクションの人体実験が成功して超人的な治癒能力を得た副作用で、強い痛みを欲する究極のマゾヒストとなってしまった。
戦場では肉壁となりながら特攻する戦術を取り、暇な時は自分の腹を殴っている。
蜂龍神教信者。

⚫︎カーシニゼーション・クララ
通常のツツイ・クララを戦闘用に転用した精鋭モデル。
性格は変わらないが、瞳の色が赤くなり、命令があれば命を奪うことになんの躊躇も持たず、自身の損傷や死を一切恐れない特攻型の戦闘マシーンとなる。
質より量が必要な場面や、武力セクションのクルービーの人員が足りない時に導入される。
「サツイ・クララ」や「サツリ・クララ」なんて呼ばれることもある。

技術セクション:サイバーチェスナット

フィリア・クルゥズのシステム管理や医療設備等の技術的なサポートを担っている部署。
業務の難易度が高く、脳や体をサイボーグ化していないとまともに追いつけず、主任に酷くいびられる。

【テーマ・デザインモチーフ】
⚫︎浅葱色
⚫︎サイバーパンク
⚫︎白衣・作業服

【栗龍】デア・エクリウス・マキナ/Dea Éclius Machina

身長:199cm(カスタムによって異なる)
一人称:アークシ
性格:人の嫌がることを進んでおこなう、ハラスメント気質。
好きなもの:車、エクレア、チョコミント、アニメ。
趣味:嫌味研究。
大事にしているもの:効率、組織の調和、ケレン味。

【詳細】
・全身をサイボーグ化しているサキュバス。
フィリア・クルスの技術管理を統括しているほか、船外で命を落としたクルービーの魂を回収する「ソウル・ハーヴェスター」という飛行船団の統率も担っている。

・クルービーのことを基本的に「ウゾーム・エレファンツ」や「ゾクブーツ」と呼び、ことあるごとに嫌味な発言をしていびっている。
当然、ほとんどのクルービーたちからは目の敵のごとく嫌われているが、マキナは「コレがアークシの仕事なんで」と一蹴している。

・横長のディスプレイがついたマスクを着用しており、そこから出る機械的な声に合わせて絵文字や波形などのアニメーションが再生される。
マスクを外しても喋ることはできるが、口を動かさずに喋るため、かなり不気味。

・マイヤーのことを非常に強く嫌悪しており、彼女への嫌味には明確な憎しみが込められている。
それにはマキナの「開発途中時代」時代、身体改造に失敗して言語機能に致命的なエラーが生じた際に、マイヤーにその喋り方を嘲笑するように笑われたことによる恨みが生じたという経緯がある。

・非情なまでに合理性を重視する性格で「技術を最速で進化させるのが戦争とエロ」を座右の銘としている。


・栗の花のような匂いがする。

【セリフ】
「解像度が低いッ!」
「ゼロか100かで考えられる、うらやましいんネ〜! こちとら無数の0と1の組み合わせでオメーの何万倍も複雑に物事考えなきゃなんねーヨ」
「倫理観のアップデートをしろ、ダ〜?ハッ、電脳化もしてねークセによく言うヨ、OSサポート対象外ダ」
「回答要求。質問コード:OCA10」
「作戦完了。センドコード:NDK-8E47-8B9B」

【関連アイテム】
・戦車
・毬
・歯車

【キーワード】
・クリ
・サイバー
・幻想自我
・35.3455km
・E
・3

マキナの武装一覧

ディスプレイマスク Patagium XP
マキナが常につけている、ガスマスクのような見た目の感情表現ツール。
会話に合わせて牙が動くなどのアニメーションが再生されるほか、言葉だけでは足りない情報を補うなどの役割がある。
また、「スキップ可能まであと◯◯分」のテロップがある動画広告を突然表示して相手との会話を中断したり、パソコンの初期設定の壁紙のような青空と草原の画像を表示して相手の話を聞いているふりをすることもある。
ひどく驚いた時はブルースクリーンになり、睡眠・覚醒時は古いパソコンを彷彿とさせる効果音が鳴る。

マスクを外しても、喋りと口の動きを連動させずに話すことができる。
肩部小型ミサイルポッド カゼキリ
肩に収納された小型ミサイルポッド。
マルチロックオンシステムで複数のターゲットを捕捉し、クレヨンサイズのミサイルを発射する。
誘導性能・威力ともに魔力に依存した兵器であるため、魔力が枯渇しているとろくに効果を発揮できない。
垂直発射式凍結ミサイル アイス・キュクロプス
背中に装備する遠距離低温ミサイル兵器。
発射すると高くまで上昇し、手前の障害物を飛び越えてロックオンした目標の頭上目掛けて襲い掛かる。
重量があるため、上昇速度は遅く「鈍亀」とも呼ばれる。
そのぶん威力は高い。
アームキャノン ディメンショナルシーフ
前腕に格納されている銃。
射程距離は短いが、0.3秒での早撃ちが可能。
脚部搭載爆弾 ニー・ボンバー
大腿部から装填した爆弾を膝から放ち、上空から落として爆撃する。
爆破範囲が広いため、地上や近距離では使えない。
レーザースナイパー 浪越・ワルサー・ティーン
圧縮した空気を銃弾として放つ大型狙撃銃。
殺傷能力のある高出力モードから、指圧程度の威力に抑えた低出力モードがある。
高出力モードは反動も大きく、狙撃手の背後に不用意に立つと衝撃波で吹き飛ばされるため、マキナは使用時に「あーくしの後ろに立つな」と警告する。
「浪越」という文字がペイントされており、その上には7354とルビが振られている。
エネルギースラスター ウィング・アッシャー
マキナの背部に翼の代わりとして装備されている、エネルギー飛行ユニット。
機嫌がいいと「ウィング・アッシャー!ウィーンガシャン!飛びます飛びます!」とふざけながら飛ぶ。
ちなみに、マキナはサキュバスとして生まれつきの翼を持たないことが非常に強いコンプレックスになっている。
換装下半身アタッチメント 伽龍(ぎゃりう)戦車 タイラント・サキュバスEX
マキナの上半身と合体する戦車。
巨大な主砲「ザ・ビッグ砲」から放たれる砲撃は、700キロ先の目標と、フィリア・クルスの予算を容赦なく吹っ飛ばす。
アークシステム・コア
マキナの胸部に格納されている動力源。
元は船の動力源に使われる予定だったものをマキナの体に移植した。
過剰負荷などで高温になると自動的に胸部が展開し、緊急冷却のためにコアが露出する。
マキナは「アークシのアークシステムがー、」というギャグをよく口にする。

サイバーチェスナット・クルービー「C.C.MARRON」

この部署に所属しているサキュバスのほとんどが体にサイボーグ手術を施しており、その多くは情報処理能力向上や感情の抑制効果、および有事の際においてマキナによる遠隔コントロール権限を持つマイクロチップを脳に埋め込む改造を経ている。
稀に体の99%以上を機械にしたほぼアンドロイド状態の者もいる。

名前の「マロン」は栗ではなく「青いザリガニ」を意味しており、赤い蟹のマイヤーからは嫌われている。

以下のメンバーはセクション内で優秀な者かつマイクロチップを埋め込んだ者だけが門を叩ける「针尖」と呼ばれる、マキナ直属の排他的グループに所属している者。
彼女らのことをマキナは「外部演算装置」と言いふらしているが、グループの外では悪人として名を通しているマキナにとって、唯一本音を語ることの出来る場となっていることを、彼女たち以外に知る者はいない。

⚫︎メガライク
生意気な態度の小柄なサキュバス。
マキナに似て露悪的に振る舞い、他人をよく煽る。
度重なる身体改造の影響で、よだれが垂れやすくなっている。

⚫︎DJ B.B.
フィリア・クルゥズのBGM担当。
かなりロボット的な見た目をしており、敬語で話す真面目そうな印象をもたらすが、言葉の節々に慇懃無礼な要素がある。
龍の接客(という名の戦闘)時など、必要に応じて各セクションやフロアのBGMを切り替える。
作曲はマキナであることが多く、サイバーチェスナットなどのマキナ周辺ではマキナの趣味のファンコットやブレイクビートが流れている。

⚫︎スリナメ
フィリア・クルスでは珍しいマリニアン系獣人のサキュバス。
のっぺりとした顔をしている。
知性が高い。

⚫︎ブルート/ブルーノ/ブルータス

⚫︎Λ.IO(ラムダ・イオ)
容姿や振る舞いに加え、淫魔として重要な臓器もちゃんと女性のものだが、本人は男であると主張している。性自認が男の女性というわけではなく、元々中性的だった男の体をベースに手を加えた、自称「究極の男の娘」。
彼に残った男の要素は「ボク」という一人称と、少ししっかりした肩周りの骨格のみなため、女性しか人間として認められないフィリア・クルスでも「でたらめなことを言っている女」と思われるだけで済み、クルービー唯一の男となっている。

⚫︎ポジマイヤー
マキナがマイヤーへの嫌がらせのために作った、マイヤーそっくりの模造アンドロイド。髪は白く、赤い部分が緑色になっている。
口調は本人同様強いものの、本来の暴力的なマイヤーとは対照的に、他人に優しく命を大切にすることから、「反転したマイヤー」として「ポジティブ」の名を与えられた。なお、本人は自分が「ネガ」扱いされたことで非常に憤っており、ポジマイヤーを見つけ次第破壊している。

魔術セクション:ミルモルタル

科学技術では補えない問題を魔術の側面からアプローチするために設けられている部署。
蜂龍神教の祭事などを執り行う文化的な役割を担っている。

【テーマ・デザインモチーフ】
⚫︎紫色
⚫︎ゴシックホラー
⚫︎ドット

【臼龍】ミルキウス・Ω・ペイズリー/Milkius Omega Paisely

身長:204cm
一人称:ウチ
性格:陰気で寡黙。
好きなもの:パシココ。
趣味:礼拝、食事、睡眠。
大事にしているもの:パシココへの信仰心。

【詳細】
・魔術セクションの主任であり、「蜂龍神教」の教祖でもある。
基本的に無口で、自分からはあまり喋ろうとしないが、よく見ると小声でブツブツと独り言をしていることもある。

・ペイズリーの魔術は、目に見えぬ精霊「言葉を聴く者」の力を使っている。
精霊は人間よりも早いサイクルで世代交代をし、通用する言葉の変化も早いため、定期的に対応する言葉を探り、呪文の更新を行わなくてはならない。
ペイズリーの独り言の正体は、この言葉探りである。
ちなみに、「言葉を聴く者」はこちらに力を貸してくれる親切な存在などではなく、例えるなら「駅を爆破する」と犯行予告すると否応なく動かねばならない警察のようなものに近い。

・パシココを神と崇めるほどに酔狂しており、数を力の要とするクルスにおいて、一般人とはズレた価値観を持つパシココが、権力を保ち続ける大きな要因となっている。
基本的には内部の派閥争いには口を出さない性格だが、マイヤーがパシココの指示に反いたり、マキナがパシココの方針に物申すと、側近気取りで相手を叱責する。

・クルスに加入する以前は、体が小さく、魔術も使えず、サキュバスとしての奔放さもないという、魔族としては生きられず、ヒト族の王国付近に棲みつき、差別を受けながら生きながらえていた。
当時その世界を脅かしていた「魔王」に対し、王国は厄介払いとして、権利を褒美に、受刑者たちで構成された討伐隊の「笛吹き」として、ペイズリーを男たちの遠征に同行させた。

一行は「魔王の船」に辿り着くも、側近の赤い悪魔に殲滅させられてしまった。
だが、魔族のペイズリーだけは、魔王・パシココの手によって蘇生され、魔術を使う力と強い体を与えられた。
生まれ変わったペイズリーは王国に戻り、サキュバスの力で王国の秩序を乱し、あっという間に国家を崩壊させた。
こういった経緯からペイズリーはフィリア・クルスに加入し、「愛」という力を与えてくれたパシココの狂信者となった。

【セリフ】
「パシココ様を信じるズラ…信じなくば救われね…」
「パシココ様のおっしゃることは正しい…パシココ様の命令は絶対ズラ」
「お、オバナは黙って…!」
「むん………ッ(威圧感を放つ)」
「むん……(しょんぼり)」

【関連アイテム】
・杵
・縦笛
・万年筆

【キーワード】
・木臼
・王乳
・笛吹き
・M
・4

ペイズリーの魔術道具

どんつ杵
ペイズリーが常に持っている杵のような杖。
魔術に使用するためのものを、無理やり物理攻撃用にも使っている。
召喚札
サキュバスの魔力を消費せず、単体で人や物を召喚できるお札。
他セクションのクルービーにも売っている。
グレードや種類によって召喚できるもののスケールが異なり、マイヤーは「一々選ぶのはメンドくせェ」と、いつも1枚300万ヘキサの最上級の召喚札を購入している。
修復薬
高価な回復薬。
摂取すると細胞の活性化が急激に早まり、損傷した部位を急速に再生させる。
しかしそのぶん体への負荷も大きく、再生箇所が熱を持って痛み出すため、早急な回復が必要な武力セクションが経費で購入している。
それ以外のほとんどのクルービーは、技術セクションの医療チームによるサイバネティック手術で失った部位を補っている。

ミルモルタル・クルービー「カンモク」

魔術を扱える才能に秀でた者が配属される部署。
人付き合いに難ありなキャラが多く、陰気で排他的な雰囲気を漂わせている。

⚫︎ゴヨネイ
ミルモルタルの幹部補佐官。
自分を「クソ淫魔」とひたすら下卑するサキュバス。
いくつもの魔術実験で憑代役を務め、多くの呪いを受けて人格が狂ってしまった。
現在では、歩くだけで呪いを振り撒く凶器扱いされている。

⚫︎ゴリアン
かなり昆虫的な外見のお嬢様キャラなサキュバス。
薬品作りに熱中し、特により強い猛毒を作り出す研究に精を出している。
他にも媚薬や傷薬の研究も得意。

⚫︎ホーシュ
よく酔っ払っている サキュバス。
ガサツで陽気でマイペース。
フィリア・クルスではクルービーの健康管理の面から飲用のアルコール類を取り扱っておらず、ホーシュは自分で酒を密造している。

⚫︎ミルキウス・ファルス
ペイズリーが蜂龍神教の道具として作った使い魔のインキュバス。
母であるペイズリーに強く依存するように教育されている。
母親以外との接触を嫌がる性格で、それを面白がるマイヤーからいじめられることもしばしば。

その他

⚫︎魚「アマノツカイ」
時空の狭間を泳ぐ、ヒトの顔をしたオレンジ色の体の長い生物。パシココ達はこれを「天使の魚」と呼んでいる。
この魚の卵からクララたちが製造されている。
また、食用も可能で、肉質や味はサーモンに似ている。
オスの精巣は「ダイダイ」と呼ばれる珍味で、パシココはこのダイダイの軍艦巻きが大好物。
捕まえたアマノツカイのダイダイのほとんどを食べてしまう。

⚫︎三人称
フィリア・クルスにおける「人間」は女性しかいないが、人柄や性格、行動の傾向などによって「彼」や「彼女」を使い分ける文化がある。
パシココ、ペイズリーは「彼女」、マイヤー、マキナは「彼」と呼ばれており、ステレオタイプ、または害悪的な男性的言動が特徴的な人物に用いられることが多い。
そういった経緯から、「彼」呼ばわりはやや侮蔑的な意味が含まれるようになったが、「フィリア・クルスにおいて全てのグルービーは平等である」というパシココの思想を口実に、差別は存在しないものとされている。

⚫︎「6」という数字
蜂の巣の六角形からなるハニカム構造をパシココは「強さ」や「結束力」の象徴とし、フィリア・クルスでは「6」を基準とした単位が多く用いられている。
重さや長さは約1/6の「ヘキサグラム(メートル)」と数え、1週間は6日単位といったものとなっているため、異世界から加入した元異種族のクルービーはまず単位を覚えることに苦労している。

⚫︎飼育区画「アーク」
フィリア・クルゥズの中には、技術セクションが管理している、動植物飼育区画が存在する。
そこには人権を捨てて「動物」に成り下がった人類を飼育する区画がある。
男女で飼育施設は区別されており、男性は後述する「花園」で、オバナとして生活する。
人権を捨て、フィリア・クルスの活動に貢献しないという選択をした女性は「有限天国」という施設で、エンゼル・クララの介護を受けながら余生を過ごす。

⚫︎オバナ
フィリア・クルゥズに乗り込んだ人類のうち、女性は「人間」として権利と労働の義務を得るか、義務と権利を捨てて「動物」として余生を過ごすか選択できる。
しかし一般の人間よりも高い体力を有する蜂魔族の社会にとって人類男性はいよいよ食糧以外の価値がないものとなり、乗船すれば「動物」として飼育される運命の一択のみとなっている。
飼育に適切な肉体にするため、身体改造処置によって頭から花を咲かせた熊のような外見と変わる。
この状態を「オバナ」という。

オバナの飼育区画は通称「花園」と呼ばれており、ベッド、水道、トイレ、パソコンのみが設置された「人類の生活を模倣したような空間」で飼育される。

ここでの生活は2種類ある。
ひとつは、動物として部屋に閉じこもってフィリア・クルスの用意したコンテンツのみが享受できるパソコンで搾蜜まで時間を潰す生活。
労働や他人との関わり合いはないが、それ以上の自由はなく、体を動かさない不健康体の蜜は価値がないため、搾蜜作業も廃棄前提でツツイ・クララのみがおこなう。
最低限の人間すら持たないため、ある日突然人体実験のサンプルとして使われる可能性もある。

もうひとつは、肉体労働ありの生活。
パソコンで「擬似人権借用申請」を提出することで、個室から出てる権利を与えられる。
給料はなく、ミソジニストの新人クルービーの鬱憤晴らしの標的にされることもあるが、食事の種類が少し増えたり、事前告知される人体実験の拒否権取得など、少しは人間らしい生活を送ることができるようになる。

⚫︎食文化
フィリア・クルスの全てのサキュバスが、蜜を主食としているわけではない。
サキュバスに転生したばかりの元他種族人や、蜜以外に必要な栄養素を有するサキュバスなどは、普通の人間と同じような食事を取る。

【精餅】
蜜慣れしていないサキュバスが栄養失調にならないように作られた餅。
乾燥させれば保存食にもなる。

【パパド】
食堂で食券を出すと無料で出てくる豆の煎餅。
これを提供するようになってからは、待ち時間に腹を空かせて暴れ出すクルービーの数が非常に少なくなった。

【タンザク】
オレンジ色に白い縞模様の入った肉の切り身。
活動停止したり、十分なパフォーマンス性能を発揮できなくなったツツイ・クララを解体して作る。
味はサーモンに似ている。

【マコトノヨサ】
デラウェアほどの大きさがある魚卵の漬け込み。
あまり船内では見かけることの少ない食べ物で、製造された品のほとんどは船外の一部の愛好家に提供されているらしい。

【ミルク】
一般市場ではほぼ全ての動植物性食品が流通しなくなったエスニシティ爆発時代の人間は、生まれてから一度も乳製品を口にしたことがない者が多い。
フィリア・クルスでは自製の乳飲料を数種類製造しており、蜜の代わりにこれを飲むクルービーもいる。
なお、ミルクの評判は大まかに「これを飲まないとやってられない」「人乳以外は安心して飲めない」「一口飲んだだけで吐き戻した」の3つに別れている。

⚫︎フィリア・クルスにおける「死」の扱い
クルスの構成員は外からの勧誘以外は全てパシココから産まれてた者で、命を落としても彼女らの魂がパシココの元へ戻ることができれば、再び産み直すことができる。
そのため、パシココ含む全ての構成員の命の重さは軽いものとして社会が構成されている。
パシココは「死は意味のあるものでなくてはならない」と考えており、後に残るものが何もない無意味な虐殺は許容しないが、反対に「命を落とすことでこなせる仕事」や「食品や素材として残るものがある」ならば、その死は世界に貢献する素晴らしいものという思想を貫いている。
この価値観が基本の世界で古い世界の価値観を保ち続けることは苦痛を生み出す要因でしかなく、"適応"が完了したクルービーは、人間のように高い能力を持ちながら、家畜のように深く物事を考えないようになる。

⚫︎ドウホウ手帳
全てのクルービーと、一部タイプを除くツツイ・クララが所持している支給品のひとつで、紙の手帳とタブレット用の電子版の両方が支給される。
この手帳にはフィリア・クルスの活動理念や、組織のルール、生活の手引きなどが非常に細かく記載されている。
作成担当のマキナは、あえてこれを細かく、そして年度毎に更新しており、組織の決まりに反発するクルービーに対して優位に立てるよう、全文を把握する意欲が湧きにくい作りになっている。

しかし、最も重要なのは、一番最初のページに大きな字で書かれている「緊急時通報番号」だ。
これは自身や同僚の事故や急病などをいち早く報告してより早い対応をおこなうためのもので、アスタリスクを6回「******」押すと、技術セクションの指令センターへと繋がる。
運用上はそのような名目となっているが、実際はクルービーの中で極端に適応力の低い者の対処や、反乱分子の早期発見のための監視目的として機能している側面が強い。

現在、表紙には「同胞手帳」と書かれているが、マキナなど一部のクルービーははあえて悪意や自虐的意識を持って「働蜂手帳」と表記している。

フィリア・クルス 用語集

【アンコレクト】
身体や脳に不完全な部分がある者に対して使われる言葉。アンコと略されることも。
平等第一主義のパシココはアンコレクトな状態を疾患と同列のものとみなしており、他の世界なら個性として許容されるものであっても、フィリア・クルスでは強制的に脳改造やサイボーグ手術の対象となり、それでも改善が見込めない場合は間引きされる。
このことを知った異世界人の多くは差別的だと批判している。

【オバナ】
捕獲したヒト族のオスの総称。
サキュバスのエサとなる蜜を搾り取るために人権を剥奪され、船内の生物飼育研究区画で「動植物」と同じカテゴリーで"適切な環境下"で"飼育"されている。

【かあいい】
下位存在に対して使われる言葉。「かわいい」は愛らしいものに使われる言葉に対し、「愚かだが嫌悪するには取るに足らない存在」に対して使われる。

【空振り屋】
計画が立て続けにうまく行っていない状態の人に使われる言葉。
(例)「アレに関しては完全にパシココ様の空振り屋だよ」

【気持ちいい】
ポジティブな表現に多用される汎用性の高い言葉。

【気持ち悪い】
淫魔達にとって最大の侮辱用語。
マイヤーですらこの言葉を滅多に使わず、「キショい」といった程度の表現にとどめているほどの強い表現の言葉。
クルービーの誰一人として、パシココがこの言葉を使ったところを見たことがないという。

【クラーケン】
収監したオバナのうち、健康状態に問題を抱えていたり、指示を拒否したり暴れて抵抗するなどで人間(クルービー)の手に負えない個体と判断された場合、自我を持たず、どんな相手でも笑顔で介護できる量産型人造人間のクララをあてがう場合がある。
かつてはこの案件が「クララ案件」と呼ばれていたが、いつしか業界用語化し「クラーケン」として定着した。
文章ではタコの絵文字で省略される傾向があり、組織内SNSでは、気に入らない同僚を揶揄する伏せ字としてタコの絵文字が使われるようになった。

【クルービー】
フィリア・クルス構成員の総称。
「フィリア・クルスにおいて全てのクルービーは平等である」

【コレコレ】
パシココがキャッチーで親しみやすい印象を持ってもらうために作った言葉。
「これぞコレクト、コレコレです!」という風に使っているが、蜂龍神教信者以外にはほとんど浸透していない。

【精蜜(せいびつ)】
生物から搾り取る体液の呼称。淫魔達のエネルギー源。クルービーは腹部にある貯蔵袋に搾り取った蜜を溜め込み、船でパシココに徴収される。

【チュンチュン】
パシココがよく使う表現。その場その場でかなり適当に使われるため、定まった意味はない。

【バチカニ】
クルービーの間で「バチクソ確かに」の意味で使われている言葉。
「カニ」というワードから、マイヤーを連想しがちだが、彼女は他人に同調されると激怒する性格の人間であるため、マイヤーの周囲でこの言葉が使われることはない。
絶妙にダサい言い回しであることから、パシココが考えた説と、マイヤーのイメージダウンを企てたマキナ発祥の言葉ではいかという2つの説がある。

【ヘキサ】
フィリア・クルスの施設内で使われている通貨の単位。
クルービーの時給は600ヘキサ。

【蜂魔族(ほうまぞく)】
フィリア・クルスが異世界でビジネスを行う際、「淫魔」という肩書きによって発生する滞りを解消するために使っている、もうひとつの種族名。
魔族に嫌悪感や差別意識のある人間からは問答無用で「虫」と呼び捨てられる。

【蜂龍神教(ほうりうしんきょう)】
一部の熱狂的なクルービーの間で発生した、パシココを本尊として崇める宗教。
彼女を称える合言葉は「デゥラーパン、ウンパッ、リマッ、リマッ!」。

【龍(リウ)】
最も高い地位の淫魔が持つ称号。
女王蜂であるパシココももこの称号を持つが、フィリア・クルスという社会の中での扱いは神に等しい。

【矮雄(わいゆう)】
フィリア・クルスの文化におけるオスの存在は非常に小さい。
パシココの卵からごく稀にインキュバス(オスの淫魔)が生まれることがあるが、強く大きく成長することはなく、メスのクルービー達と同じ「人間」としてセクションへの所属は認められない。
オスとして生まれた淫魔は、オバナ達と同じようにサキュバスの活動に寄生しながら、その生涯を終えるまで蜜を搾り取られるだけの存在となる。
この矮雄という現象はフィリア・クルスだけに限らず、自然界でよく見られるものである。

【クルービー募集中!】


あなたもサキュバスになりませんか?
ヒトとして生きる苦しみを捨て
私たちとともに愛による世界平和を目指しましょう

淫魔への転生において
痛みや苦しみは発生しません(※1)(※2)(※3)
あふれる愛と快楽があなたを待っています

さあ、共に手を取り肌を重ね
人類総淫魔化プロジェクトに参加しましょう!

※1 武力セクションへ配属希望をする方を除きます。
※2 転生によりヒト族であった頃の記憶を若干喪失する場合がございますが、淫魔としての活動に支障はありません。
※3 クルービーになれるのはメスのみとなります。オスはオバナとして飼育されます。