マデンス
「はいパシン、問題です」
パシン
「問題?」
マデンス
「旅行やテーマパークに行くよりもコスパが良く、特別感を味わえる気分転換とはなんでしょう?」
パシン
「それっていくつ答えればいいやつ?」
マデンス
「きょう行こうと思ってるところを当てればいいんだよ」
パシン
「えぇ〜…? コスパがいい? なんだろ、川とか?」
マデンス
「あーっタダすぎる。もうちょっとお金はかかる。正解は"ちょっと高い外食をする"です」
パシン
「おっ、もしや…!」
マデンス
「そう。普段、お腹を満たすためだけならちょっと高いな…ってお店に行くとか、よく行くお店でも普段は頼まないメニューを頼むとか、そういうことをしよう」
パシン
「サイゼで豪遊ってヤツ?」
マデンス
「…もうちょっといい店に行こうよ」
マデンス
「こういうときこそ、こういう店だ。最近パシン元気なかったからさ。たまにはこういうことして気分転換にでもなればなって」
パシン
「マデンス…」
マデンス
「ってのは建前で。ほんとはこのハーブポテトってやつを前から食べて見たかったんだよね」
パシン
「えぇ…」
マデンス
「まぁいいじゃないか。パシンもこのプリン好きでしょ?」
パシン
「まあね」
マデンス
「う〜ん、うまい」
パシン
「ここのプリン、固さも見た目も大好きなんだよね」
マデンス
「華やかだよね」
パシン
「上のさくらんぼ食べていいよ」
マデンス
「いいの?」
パシン
「果物苦手だから代わりに食べてくれる人がいないと頼めないんだよね」
マデンス
「外してくれって言えばいいのに」
パシン
「そういうの言いづらい…」
マデンス
「何してんの?」
パシン
「ツイート用の写真を撮ってる」
マデンス
「へぇ」
パシン
「ポケットにいつも青空を持ち歩いている…っと」
マデンス
「それでそういう写真撮ってたのか。もう反対側の空、雲分厚いけどね」
パシン
「言った矢先に雨降ってきた…」
マデンス
「雨宿りしようか」
パシン
「困ったな…ぜんぜん止まないぞ…傘持ってないのに…」
マデンス
「夕飯も食べてく?」
パシン
「そうだね。どこにしよう…」
マデンス
「こういうときこそ…」
パシン
「1日に2度も同じ店に入る…こんなことしていいんだ…」
マデンス
「おやおや、知らなかったのかい?2度も同じ店で食事をしてはいけないルールなんてないんだよ」
パシン
「よく考えなくても当たり前のことなのにぜんっぜん今まで気づかなかった…」
パシン
「ビーフソースハンバーグオムライス…!ガッツリだね…!」
マデンス
「さっきは軽食だったからね」
パシン
「なんか今日は特別感がすごいや。ありがとう」
マデンス
「なかなかいいもんでしょ。また今度こういうことやろうぜ」
パシン
「うん」